2017年8月1日火曜日

「ひとりとふたり イラマチオは何故二回戦へメタモルフォーゼしたのか?」銀杏BOYZの新曲「二回戦」のMVををRECさせていただきましたー!

あなたがこの世界に一緒に生きてくれるのなら
死んでもかまわない あなたのために

星降る青い夜さ
どうか どうか声を聞かせて
この街をとびだそうか
つよく つよく抱きしめたい


つよく つよく つよく

あなたがこの世界に一緒に生きてくれるのなら
死んでもかまわない あなたのために

あなたがこの世界に一緒に生きてくれるのなら
月まで届くような翼で飛んでゆけるのでしょう

from「駆け抜けて性春」







ひとりとふたりは特別なコトバだ
だってそこから先は全部同じ、三人四人100人一億人。
僕らは正しく「人」でいなくちゃならない。
でも「ひとり」ぼっちなら、そしてもしかして夢の中だけでもきみと「ふたり」なら
そこには新しい何かが待っているかもしれない。
ゴイステ時代の「YOU&I」で峯田和伸という人を知った僕には
銀杏BOYZとはずっとそんな特別な「ひとりとふたり」について唄ってくれるバンドでした



そして今回なななななななーーんと!!銀杏BOYZサンの新曲「二回戦」のMVをRECさせていただきましたーーーー!!






のでッッ、いつものごとくMVをRECするにあたってのグダグダ&モロモロを書いちゃってしまいます!!



っていうか実は峯田氏に初めてお会いしたのは
今をさかのぼる事なんと15年前ッッ!!
僕は2ちゃんねるのAV板で「AV史上最も抜けないクソ作品を作るAV監督」との
ありがたい称号をいただいてしまう「girlfriends」そして「SWEETDAYS」という
童貞丸出し、ひたすら「おんなのこという生き物」の事を知りたくて
セックスの事を知りたくて公私混同しまくった狂ったエロビデオシリーズを作っていました。

未だに僕はカメラの前以外でSEXをしたことがない所謂「素人童貞」のままですが、
女の子を面接して衣装を買って小道具をそろえてスチール(写真)を撮って
イメージシーンを撮ってデートして笑ってアホな事してホテルに入って
お話をしてセックスして(時にはセックスできなくて)


from girlfriends 005



おんなのこを送り出してETCそんな諸々を全部終わった後、
確かに五分前まで「ふたり」だった空間には僕「ひとり」がいて、
「キミ」の姿はビデオカメラの中のテープにしか残ってない・・
そんな時にいつも僕が聴いていたのはGOING STEADYでした






確かにそんなAVなんてね・・・僕以外抜けねーーーよ!!
しかし恐ろしきは童貞ソーヤングな闇雲POWER!!
ある日どうしても最も新しくて最もうるさくて最も大切な音楽と
生々しいセックスが同時に鳴り響くようなアダルトビデオを作りたくなった僕は
ダメ元でゴーイングステディの事務所へメールを送ってしまった・・・・曰く



「AVのテーマソングにゴイステの曲を使わせてもらえませんか?」


そして下北沢の事務所の方へに打ち合わせに行って峯田氏の口から知った衝撃の事実

「僕、ターボさんのAV見てますよ」




今ではMOOSIC LABのようなスタイルで
「その時代の音」と「その時代の画」をコラボさせた映像作品はたくさんあるけど、
この時点では映画でもないミュージックビデオでもない、
そしてなによりAVでもないかもしれない
なんてまさに「ひとりぼっち」な映像はどこを見渡してもありませんでした。


そんな「ひとりぼっち」を「ふたり」へと橋渡ししてくれるのは絶対に音楽しかない。
THANK U FOR THE MUSIC
僕のクソみたいなAVを見てくれてる人がいるんだ!!
そして「駆け抜けて性春」を主題歌に
パッケージからフォトブックまでのスチール撮影を佐内正史氏に担当してもらうという
どんなジャンルにも属さないフリークスとしかいいようのない
「I LOVE YOU」というAVが完成しました。



もちろん今のようなSNSがない時代(泣)レコードショップからは「AVは置けないッス」と断られ
エロショップからは「これ・・AVですか??」と置くのを断られ・・・
「I LOVE YOU」はめちゃくちゃよくいえば「CULT」作品、
有り体に言えば「要らない」作品として忘却の彼方へさようならーーー!!


そしてゴイステ自身も突然の解散そして銀杏BOYZへとメタモルフォーゼ


「光の中に立っていてね」「BEACH」が峯田氏より送られてきて

そのあまりにあまりな内容に驚愕してこんなTEXTを書いたりはしましたが


ドリーム・ベイビー・ドリーム  銀杏BOYZ新作「光のなかに立っていてね」「BEACH」を解読する試み




今度は銀杏BOYZも突然の空中分解・・・・・・


僕と銀杏BOYZの間にあったのは、そんな不思議な10年間でした


ところが2017年の4月名物マネこと江口氏より

「あのーー銀杏BOYZのMVのお願いなんですが」



との一報が

「やりまーーーす!!」

と相変わらずの安請け合い(オイオイ・・・・)

15年ぶりに事務所にお伺いしてはじめて聴いたのが「イラマチオ」のBANDバージョンである「二回戦」でした。


江口氏、軽部氏、会田氏など事務所の方々が軽く引くほど、
「二回戦」を聴いた瞬間に僕は叫んでいました




「ここここここれこそ銀杏BOYZ究極のラブソングじゃないですかーーー」





様々な取り上げられ方で銀杏BOYZの、峯田和伸氏の楽曲は
直情的であり究極の生々しいラブソングだといわれているけど、
僕はずーーっとそう思っていなくて。

それとは逆に
どうしてもキミとボクの間にはまるでバリヤーのような境界線が存在する、
そのことへの絶望とその先への切望。
それがこんがらがって、
だからひとりほっちの「ぼく」は「きみ」にふれることができない。
夢の中以外では・・・・・


わたしはまぼろしなの
あなたの夢の中にいるの
触れれば消えてしまうの
それでもわたしを抱きしめてほしいの


不可能性のラブソング


ゴイステから銀杏BOYZまで峯田和伸というアーティストが
まるでモールス信号でSOSを告げる最前線の兵士のように
一貫して鳴らしているのは



恋の不可能性


血を流しても、ステージから飛び降りて骨折しても、
全裸になってフェスから出入り禁止になっても
ピークメーターが振り切れるほどシャウトしても、
そして9年という歳月をかけて綿密なノイズを作り上げても
銀杏BOYZの楽曲には「ひとり」から「ふたり」へと繋がる事への絶望がどうしようもなく横たわり、
まるで透明なバリヤーのようにキミとボクの間を隔てている
銀杏BOYZの楽曲の美しさとはそんな絶望のバリヤーに反射する光の輝きであり、
それが眩しすぎてそして苛立たしくて全てを壊したくなる


ひたすら美しいメロディーと心臓から血が吹き出すようなコトバを備えた
「イラマチオ」は正に銀杏BOYZ流ラブソングの究極のカタチだった。

なのでボクは事務所で曲を聴かせていただいて
下北沢の商店街を帰るその道すがらに思いついてしまった



ここここここれは「ブラウンバニー」が使えるジャン!!




世界で最も著名な映画評論家ロジャーエバートに「今世紀最低の映画」と酷評され、
出展されたカンヌ映画際においてあまりなその内容に大ブーイングが起き上映が禁止されてしまった伝説の映画。
ビンセントギャロによる究極の個人映画はギャロが演じる主人公が
ひたすら砂漠を90分間バイクで疾走しラストの五分、
クロエセヴィニーが演じる恋人にイラマチオをさせて射精して終わる。


THE BROWN BUNNY (2003) BLOW JOB SCENE(18歳以下は見ちゃダメ!!)


こーーーーーーーれは完璧に「イラマチオ」の世界観じゃないっすか!!
それもイラマチオシーンがあるMVなんてどう考えても日本初!いや世界初だぁーーーと・・・・。
さらにいえば今回VINYL時代ならA面が「エンジェルベイビー」でこっちはB面、
元々洋楽によくあるB面の名曲好き!!な僕としてはこれはエクストリームな事をやってしまおう!!と




がしかーーーし!!いやいや、ちょっと待って!!!







「イラマチオ」=「ブラウンバニー」で超盛り上がってしまったけれど、
アレ??!!冷静になってみると曲名変わってまーす・・・・イラマチオじゃないです!「二回戦」です!!

A面である「エンジェルベイビー」は紛うことなき「音楽」に対するストレートなラブソングで、
今までの銀杏BOYZ的ひとりとふたり的世界からその先の「人」へ。
音楽を介してならもっと開かれた世界へ向かう事ができるという決意表明にも似たアンセムで
(それを「家族」というひとりとふたりを越えた関係性の単位での物語へと変換した松居監督のMVはほんとーーにすばらしいと思います!!)






じゃあ何故「イラマチオ」は「二回戦」という曲へとメタモルフォーゼしたのか??


実はここに2017年現在の、そしてこの先の銀杏BOYZの楽曲に置ける世界観が集約されていると僕は思いました。





イラマチオという暴力性



キミがペニスを加えて涎を流すところ、キミがえずいてゲロをはいてしまうかもしれないところを見たい。
「愛地獄」に弾き語りで収録された「イラマチオ」には、透明なバリヤーに写しだされていてほしい
そしてこのバリヤーを破壊してくれるキミを求める刹那が鳴らされていました。




でも「二回戦」はそうではない。





誰もが経験する事だと思いますがおとこのこもおんのこも、
一回セックスしてしまったら性欲は収まって所謂「賢者モード」

でもどうしてももう一回したいと思う、
ベッドで幸せそうに眠るキミを見てもう一回セックスしたくなってしまう。

翌朝目が覚めて朝立ちを理由にもう一回してしまうような二回目のセックス

それは「ひとりぼっち」なイラマチオとは全く別な感情で。

ものすごくものすごく、でもサーカスの綱渡りのようにギリギリな
限りなく「ふたり」に近い想い


エンジェルベイビーがひとりとふたりのその先を唄ったように



イラマチオから「二回戦」に改題された時点で
この曲もまた、銀杏BOYZにおける「ひとりとふたり」の有り様をそして、
「恋とセックス」という
峯田和信というアーティストにおける二大命題を更新しよう、
キミとボクとを隔ててしまうバリヤーを壊すことはできないけれど、
そこに写った嘘を燃やしてしまおう

二回目のセックスの後でならそんな奇跡が可能になるかもしれない




そーーいう、くそみたいに、吐き気がするくらい、ロマンティックなアンセム






それが「二回戦」という曲の本質だと僕は想いました。

だから「二回戦」のMVは峯田氏と女の子のキャスティングに一か月以上を費やし
学生時代に銀杏のコピーバンドをやっていた湊莉玖チャンをキャスティング!!
そしてひたすらひたすらロマンティックで刹那な「べろちゅー」KISSシーンは何か?
と考えたとき僕はあのバズ・ラーマン監督による
ロミオ&ジュリエットしか思いつかなかったし






優れたロックミュージシャンはBEATLESの時代から
イコールアイドルであると想っているので
とにかく最高に刹那的で美しい、おとこのこもおんなのこも
誰もがそんなKISSをしてみたいと夢見るような
今のROCK MUSIC界における稀代のアイドル
峯田和伸をレペゼンする最高のシーンを撮りたくて
KISSシーンを撮影しました


ロミオとジャリエットを書いたシェークスピアはこうも言っています

「恋愛とは最高の悲劇と喜劇が美しく混ざり合ったものなんだ」

これもまたダイハードなファンの方々には怒られちゃうかもですが僕は、
ゴイステ→銀杏BOYZにおけるラブソングは全て、正しく美しくぶっ壊れていて汚くて残酷な「ごっこ」
可愛い女の子と美しい音楽以外の全部消えてしまえと宣言して
ボリス・ヴィアンによって書かれた「日々の泡」のように
ひとりとふたり以外のものを笑いながら泣きながら全て殺す、
そのための架空の「儀式」=ごっこのためのBGMだと思っています
ごっこの、偽物の何が悪いんだ?
最後の最後に死んでしまうならそれは笑っちゃうくらい「本当」って事だろ?

MVにRECした様々なノイジーな「ひとりぼっち」のカットは、
僕ら(&彼女たち)が真夜中から夜明けにかけて
思い浮かべるそうしたEGOTRIPな意匠
ひとりぼっちをせめてふたりぼっちにするための一瞬の儀式
これまでの銀杏BOYZの楽曲はそんな「ふたり」のイメージを
あなたにイラマチオをさせてアナタが嘔吐く時に出す
「涎」の中に幻視していました。

でもこの二回戦において立ち上がる最終的な「ふたり」のイメージは
朝焼けの光に煙る夢のような一瞬
その一瞬とはもしかしたらまだ夢の中かもしれないし
5分後に死んでしまうアナタへのレクイエムかもしれない
でも僕は(ワタシは)二回目のセックスの後に立ち現れる景色を見たいと思う


ひとりとふたりをごっこにしないために。


「ひとり」であること、そして「ふたり」であることを
2017年の銀杏BOYZとして再定義する事
それがイラマチオからメタモルフォーゼしたこの「二回戦」の楽曲の持つ意味であり
そう想ってしまったのでこーしたMVになりましたッッ!!


10月に行われる銀杏BOYZ初の武道館公園のタイトルは「日本の銀杏好きの集まり」     
そこは明確にひとりとふたりから、その先へ
正に「エンジェルベイビー」な音楽を介した「集まり」への意志がある。



そして「二回戦」はエンジェルでベイビーな楽しい時間を過ごした後、夜明けまでのわずかな時間、
ベッドの中で、そして夢の中で
もしそれが可能ならば朝の光の中で
キミに出会いたい


今までの「ひとりとふたり」の在り様を更新する
銀杏BOYZによる最も新しいラブソングです

僕は大好きだった「あの娘」を摂食障害という悪魔に
殺されてしまったけれど
それでもまだくそみたいに好きだった女の子とのキスを忘れることができない。


僕にとってこの「二回戦」という楽曲が強く強く必要なように
この曲はあらゆる世界で新しい夜明けを待つ、ロックミュージックを必要とする多くの人々へと届く
スタンダードなLOVESONGになると思います。


2017年に銀杏BOYZが唄うべきそんな
エロくてエモい曲のMVを作ることができて
僕はすごくうれしいです。


P.S ラストに業務連絡!!

峯田サーーーーン!!!!!!!!
銀杏BOYZの制作マナーに合わせて初打ち合わせの4月から
今日まで「オナ禁」してがんばってきましたが、もーーーーー限界ですッッ!!
オススメのアダルトDVD&BR、10枚ぐらい貸してくださーーーーい!!


そして今日(8/1)がお誕生日の湊莉久サンにこの曲を!!